心療内科を見分ける6つの方法・10年以上通院して思った事 2024年版

心療内科医

今回は心療内科・精神科について伝えていきたいと思います。

私は別記事でも記述している通り、パニック障害になり10年以上もの間、心療内科に通院しておりました。その間、私は10年A病院、そして転院し、4年ほどB病院に通院していました。(病院名を明かす事はできないので恐縮ですがこういった名称で・・・)他にも短期で2つの病院に通院歴があります。

そういった経験から、私が感じた事、そして自分にあった心療内科の見極め方などを解説したいと思います。

こんな方にオススメ
  • 現在、通院している心療内科に少し疑問を抱いている。
  • これから心療内科に通おうとしているがどういった病院がいいかわからない。
  • 患者さんの経験談を聞いてみたい。

心療内科の見分け方6選

さて、まずは心療内科の見分け方という事で、私が通院していた中で実際にどういった診療内科を選べばいいのかを解説したいと思いますので、是非参考にしていただければ幸いです。

まずは先に結論を挙げます。

  1. 話を聞いてくれる
  2. 社会復帰を急がせない
  3. 揺り戻しを理解してくれる
  4. 薬ばかりに頼らない
  5. 減薬はゆっくり進めてくれる
  6. 自宅から近い

以上です。それでは1つずつ見ていきましょう。

1. 話を聞いてくれる

まずは心療内科に限った話ではありませんが、診断中にしっかりと傾聴してくれ、そして質問に対して的確なアドバイスをいただける病院である事です。

話を聞く?質問に答えるって当たり前じゃないの?

と実際にプライベートにて相談者の方からお声をいただいた事があります。まあ心療内科といえば字のごとく「心」に関する病気を扱う場所ですので当然だと思います。

しかし私の経験上、どんなに状態が悪化してもまるで流れ作業であるかのように最後に決まって「その調子で頑張って。」「これから寒くなるから風邪ひかないようにね。」などお決まりの言葉しかなく、具体的なアドバイスが全くないお医者さんがおられます。

やはり、短い診療時間内でもしっかりと原因を追究してくれるお医者さんに診てもらう事が理想的です。

2. 社会復帰を急がせない

次に社会復帰を急がせない病院である事が大事です。

パニック障害など心の病気にかかる方は真面目な性格の方が多く、現在仕事をしていない事に焦りを感じる方が非常に多いです。それに対し、こういった方に「就職活動はどうですか?」「仕事した方がいいですよ。」などと明らかにまだまだ症状が安定していない状態である場合でも、そういった焦りを煽るようなお医者さんがおられます。(正直私はこういった医師には嫌悪感すら感じてしまいます・・・)

私の経験の上でもそうですが、無理やり仕事を続けようとして回復が長引き、何年も何十年も通院しなければならなくなった方は少なくありません。

できれば症状が安定し、回復期が過ぎるくらいまでは気長に見守ってくれる病院である事が大切です。

3. 揺り戻しを理解してくれる

パニック障害・うつ病では揺り戻し(※)、つまり回復する過程でいい流れもあればしばしば悪い流れがあるのですが(個人差はあります)、それをしっかりと理解されている病院である事です。

※揺り戻しについては下記にて詳しく解説しておりますので、是非参考にしてください。

揺り戻しを理解されてない病院だと、体調が悪化した時に「強いストレス」がかかったとしか診断してくれません。もちろんそれも悪化理由として十分考慮していただく必要はありますが、そうでない時にストレスに関する診断しかされないと一気に信頼感を失ってしまいます

揺り戻しに関しては私が身をもって経験した事ですので、正しく理解されている病院にいくのがベターだと思います。

4. 薬ばかりに頼らない

これは私が他のパニック症候群の方または経験した方と話をする時にあるあるとして話題によく挙がる事なんですが、

やはり薬ではなくて心理療法を施す病院がいいですよね。

といった事です。私も「薬をもらうためだけに病院に行っているのでは・・・」と一時期思っていた事がありました。

もちろん不安障害の方が処方される抗うつ薬、SSRI、抗不安薬などは何十年も研究されて効果・安全性が証明されたものですので、専門医が定めた用量なら安心だと思いますが、一部薬を出し過ぎる病院があるみたいです

私は幸いにもこういった事はなかったのですが、知り合いに抗うつ薬、抗不安薬また睡眠薬など一日に「どんぶり一杯分」の薬を内服していた方がいらっしゃいました。これだけ内服していると薬に依存するのはもちろん、減薬も一筋縄にはいかないのは容易に想像できると思います。

ただその知り合いの方は転院し、今尚うつ病の回復段階ですが、薬をだいぶん減らす事ができたみたいで私も一安心しています。できれば薬に頼る事なく、心に寄り添った治療を施してくれる病院に行っていただきたいと思います。

5. 減薬はゆっくり進めてくれる

特にベンゾジアゼピン系薬剤に多いのですが、薬を減らすとしばしば「離脱症状(※)」が出る事があります。これは人によって症状の強さは全く違うみたいなのですが、この離脱症状を考慮せずに猛スピードで減薬を進める病院があります。場所によっては減薬をふまずに一気に断薬を促す病院もあるみたいです・・・

私も離脱症状で一時期、朦朧感、多量の手汗、震え、抑うつなどが強く出た事がありましたが、自分でも今思えばかなり減薬スピードが速かったと思います。先述のB病院に転院してからは慎重に減薬をフォローしていただき、さほど離脱症状は気にはならなくなったので、本当に感謝しています。

減薬に関しては自分主体で進める「アシュトンマニュアル」などがありますが、できれば信頼できる病院で減薬していただきたいと思います。

※離脱症状・・・薬物およびアルコールなどの嗜好品を、中止や減量した際に生じる様々な身体的・精神的症状のこと。

6. 自宅から近い

最後に挙げるのは自宅から近い事です。近いといっても人によっては「自宅から電車で5、6駅程度なら大丈夫。」と言う人もいれば「徒歩でいける距離でないとダメ。」と言う人もいるでしょう。このあたりは感覚でいいと思います。

よく耳にするのが、「地方在住の方で都心部まで行かないと評判のいい病院がない」という事ですが、確かに本当に近くに病院がなければ致し方ないかもしれません。しかし例えば週に1回程度通院という事になったりすると、遠くの病院に行くだけで不安になり症状が出たりする事があるかもしれません。

こういった事があると逆効果であることは言うまでもありません。やはりできるだけ近い病院の方がいいでしょう。

心療内科のこういったところは仕方がない

以上が心療内科の見分け方5選となります。これらが選ぶべきいわゆるマストの部分となるのですが、ここからは「こういった心療内科はある程度は仕方がない」といった事項を紹介します。

まずは結論から。

  1. 短い診療時間は仕方がない
  2. カウンセリングルームなどの施設はなくてもいい
  3. Googleなどの評価は?口コミは?

それでは1つずつ見ていきましょう。

1. 短い診療時間は仕方がない

まずは診療時間についてです。初診こそは30分~1時間ほど時間を提供してもらえても、再診になるとだいたい5分~10分が一般的です。

昨今ではどこの心療内科でも新患の方が寛解された患者さんを上回るため、多くの患者さんを抱える事になってしまいます。そうなってくると自然に、診療時間も長くても10分くらいになってしまうでしょう。

だから短い診療時間に対応するため、通院する際はどういった事を医師に聞きたいのか、通院するまでの体調はどんな様子であったかなどをメモしてのぞむ事が理想です

ただ、先述もしましたが、だからといって的確なアドバイスがなかったり、あまりにも的外れな答えをされるような病院には注意しましょう。

2. カウンセリングルームなどの施設はなくてもいい

一部のメンタル系サイトではカウンセリング併設の病院や看護師のいる病院がマストとされているようですが、これはなくても大丈夫です。

実際、私が通っていた信頼のある病院ではそういった施設はなかったですし、もっというとそういった施設のある病院に通院していた時も利用した事はありませんでした。

もちろんこれはあくまでも私の経験ですが、カウンセリングなどの施設があるに越したことはないと思います。ただこれを病院選びの判断基準にする必要はないと思います

3. Googleなどの評価は?口コミは?

そしてこれは賛否があるため、なかなか難しい判断材料となるのですが、私はGoogleや病院のデータサイトなどの評価(星★いくつなど)は気にしない方がいい・・・・・・と言いたいところですが、口コミをみると、ある程度参考になるかもしれません。

実際、私が通っていた病院については数十件の口コミのほとんどが私も同意できるものでしたからね(笑)。

まずは受診から

心療内科

まずはあまり考えずに近場の心療内科に一度受診してみて、合わなかった場合はまた別の場所へ、といった感じがいいとおもいます。やはり医師も人間ですので、言葉が乱暴な人だったり、言葉を選ばなかったりなど性格的に合わなかったりする事もあると思います

これは心療内科だけに限った事ではありませんが、医療の常識だったり、技術だったりはかなり早いスピードで変わっていくと聞きますので、そういう意味ではお医者さんの医療知識を最新のものにアップデートする事が必要となると思います。

先述した揺り戻しなどの知識だったり、薬以外での治療方法などは現在の心療内科にあるべきものだと思いますので、是非今回の記事を参考にしていただき、信頼できる医師と二人三脚で病気の回復を目指していただければ幸いです。

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