仕事上で納期を守るために体がボロボロになるまで働く。皆さんも経験あるのではないでしょうか?私も経験あります・・・。そして体が悲鳴をあげているにも関わらず無理やり働いてしまい、突然集中力を失ってしまったり、意欲を失ってしまう・・・そんな経験があったりしないでしょうか?
なぜ、このように疲れているにも関わらず頑張ってしまうのでしょうか?そして、頑張り過ぎないためにどういった対策をとればいいのでしょうか?
今回はそういった疑問について解説したいと思います。
こんな方にオススメ
- いつも自分を犠牲にして働いてしまう。
- イライラする事が多い。
- 頑張れていたのに突然意欲や集中力がなくなる事がある。
- 頑張らない事に抵抗がある。
※今回の記事に参考にさせていただいた一冊です。是非ご覧ください!
抗不快ホルモン・ノルアドレナリン
まずは神経伝達物質である「ノルアドレナリン」についてお話していきたいと思います。
闘争か?逃走か?
仕事で納期を守るためにあたふたしたり、やりたくない事を嫌々やっていたり、そして場の雰囲気が悪い環境の中にいなければいけない。
こういったよくある光景の中で人は恐怖・不安・過度のプレッシャーといったネガティブな感情をもつ事になってしまいます。
こういう不快な状況から身を守るために私たちは「ノルアドレナリン」という抗不快の神経伝達物質を分泌します。これは旧石器時代に人が獲物を前にした時に「闘争するか?逃走するか?」というジャッジをしなければならないために生まれてきたものだと考えられています。
長期出し続けると危険!
ただ常時、ノルアドレナリンが分泌し続ければ問題ないのですが、もちろんそう事はうまく運びません。
ノルアドレナリンは「短期集中型ホルモン」ともいわれており、危険回避のために即効性はありますが、集中力は長くは続きません。
そのためこれが長く出し続けて枯渇すると、注意力・集中力の低下につながり、さらには意欲の低下、うつ病、そして燃え尽き症候群に至ると考えられています。
ストレスの強さよりは期間
「脳を最適化すれば能力は2倍になる 仕事の精度と速度を脳科学的にあげる方法」の著者である樺沢紫苑氏によると、ストレスの強さというよりはストレス期間が問題だと語っており、具体的には2週間~1か月くらいは大丈夫とされていますが、ストレスが2か月以上続くと危険だと語られております。
つまり仕事の納期のように期限が決まっており、それ以降はある程度ゆっくりできる状況であるならストレスが強くても2週間程度なら問題ないですが、いつまで経っても切羽詰まった案件ばかりを抱えて、まるでゴールが見えないレースのような中で走り続けていると身も心も壊れてくるだろうと考えられます。
最近は「社畜」という言葉があり、それは会社に家畜として扱われるようにひたすら働き続ける者という風に捉える事ができますが、まさに今ブラック企業のような労働法を無視した環境下で働く事に私は大きな疑問を感じます。ただこの問題を提起しだすと枚挙にいとまがありませんので、ここでは割愛させていただきます。
過剰なノルアドレナリンの分泌をストップ!
それではここからはノルアドレナリンの過剰分泌の対処法について解説したいと思います。
しっかりと休む
まずは「しっかりと休む」事です。
そんな事わかってるよ・・・それができないから困ってんじゃん。
おそらくこういった声が聞こえてくるかと思います。
しかし、この当たり前の事ができないのは、「納期は守るべき」「忙しくても品質は保つべき」「顧客は丁寧に接客するべき」といったような「~すべき思考」が社会人の中で当たり前のようにあるからだと考えています。
正直、私は今でも気付いた時には仕事上で切羽詰まった状況に追い込まれている時があります。たしかに案件によれば誰でもこういった事があるでしょうね・・・
ただこういった時にはマインドフルネス瞑想で自分を客観的にみるクセをつけるといいと思います。
今、かなり切羽詰まった状況に追い込まれている事に気付いた。ただこの状況の良し悪しを判断せず、今の自分を受け入れよう。
忙しい環境下にいるとどうしても感覚がマヒして、この忙しい状況が当たり前だと思ってしまいがちです。そんな時は上記のようにただ今の状況に気付き、今の自分の状態を受け入れましょう。これだけで自分を客観的に見る事が可能になり、断るべきか、休むべきか、辞めるべきか、というような選択を切羽詰まった状況から離れて冷静に判断できると思います。
※マインドフルネス瞑想については下記に詳細を解説しています。
楽しくても注意は必要!
また、嫌々する作業だけではなく、楽しい時、熱中している時なども注意は必要です。
特にゲームなど楽しい時は時間を忘れて、さらには寝る間も惜しんで熱中してしまいがちですよね。でもこういった時でもノルアドレナリンはしっかりと分泌し続けています。
私の知り合いに躁うつ病(双極性障害)の方がおられ、楽しい時はすごいテンションで活発的に活動されますが、その後急激に無気力になり憂鬱な状態が続く。そんな状況を繰り返されるようですが、このテンションが高いときにノルアドレナリンが分泌し、そして枯渇する。こういった理論だと考えられます。(誰かと一緒の時はかなり気を遣っていただいているみたいですが、それでも我を忘れてしまう事が多いそうです。)
やはり趣味など自分が好きな事はあらかじめ時間を決めて行う事が必要だと思います。
怒らない環境をつくる
また不安の感情だけでなく、イライラなど怒りの感情にも注意が必要です。
私も経験があるのですが、安請け合いなどをすると後で怒りを生んでしまう原因になりやすいと考えられます。(仕事以外も同様です)
このくそ忙しい時にしょうもない案件引き受けてしまった。よく考えればわかる事なのに・・・あーイライラする!
上記のような例が当てはまり、案件を振ってきた上司(取引相手)に対してというよりは、よく考えずに引き受けてしまった自分に怒りがこみ上げてくるといった感じですね。
もちろんなんでもかんでも案件を断ってばかりというわけにはいきませんが、自分の状況、条件、能力などを鑑みて完結できそうな分だけを引き受けるようにするとイライラする習慣から避ける事ができると考えます。
副交感神経を優位に
最後にノルアドレナリンの分泌をストップさせるには副交感神経を優位にさせる事も効果的です。
そのために私はよくヨガやストレッチポールといった運動療法をおすすめしております。
※これらの運動療法についてはこちらを参照ください。
また入浴について、38℃~40℃くらいの温めのお湯に10分以上浸かり、体を温めると副交感神経が刺激され精神の緊張がほぐれる事が日本医師会から発表されております。また逆に42℃以上の熱いお湯に浸かると交感神経が刺激されてしまい、体が再び闘争体勢に入ってしまうので注意が必要です。
まとめ
それではまとめです。
- 頑張れていたのに突然意欲や集中力が低下するのはノルアドレナリンが関係している。
- ノルアドレナリンは不快な事から身を守ってくれるが、長期分泌し続ける事はできない。
- 長期出し続けるとノルアドレナリンが枯渇し、意欲や集中力の低下だけでなく、うつ病や燃え尽き症候群にもつながる。
- ノルアドレナリンの分泌をストップさせるには、「しっかりと休む事」「怒らない環境を作る事」「副交感神経を優位にさせる事」が重要である。
以上です。今回の記事を参考に頑張らない習慣をつくり、リラックスした生活を心がけていただければ幸いです。
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