不安のメカニズムとうつ病・不安障害の回復方法、症状の対処法を解説

前回は不安のメカニズムからうつ病・不安障害になる原因を解説しました。

今回はそれら精神疾患から回復する方法、また症状の対処法を解説したいと思います。

こんな方にオススメ
  • うつ病、不安障害など、症状がひどく対処が難しい。
  • 精神疾患を克服する道筋が見えない。
  • 恐怖に対する恐怖が重なり、負のスパイラルに陥ってしまう。

恐怖、疲労からの回復

※不安のメカニズム(以下、本書)は当記事を作成する上で参考にした文献です。是非ご覧ください!

恐怖からの回復

まず前回の心の病から抜け出せない原因として「恐怖に対する恐怖」がキーワードだと解説しました。この頭の中にある「恐怖に対する恐怖」の負担を減らせば、いいのだと本書は述べています。

それではこの恐怖を克服するにはどうすればいいのでしょうか?

それには以下のポイントが必要です。

  • 今の自分の状況を理解する
  • 心の病へと至ったプロセスを知る
  • 何について恐れているかを知る

それでは1つずつ見てみましょう。

今の自分の状況を理解する

まずは「今の自分の状況を理解する」事ですが、これは当ブログのマインドフルネスでもよく挙げている事ですが、まさに今心の病にかかってしまった自分を「受け入れる」事です。

これがまず一番に取り組む事といってもいいでしょう。よくうつ病にかかってしまった自分を受け入れられずに

自分がうつ病?いやいやそんなはずはない!何かの間違いだろう。

精神疾患だけでなく程度は違えど何か重い病気にかかってしまうとこういう思考に陥りがちですが、この思考は自分を責めるという行為であり、もちろんなんのメリットもなく、結局自分を追い込んでしまうきっかけとなります。

確かに最初は驚くでしょう、色んなネガティブな感情が生まれるでしょう。それが当然です。誰もがそう考えてしまうのは間違いありません。

でも自分を苦しめないためにもまずは何よりも優先して心の病にかかった自分を受け入れてあげてください。

心の病へと至ったプロセスを知る

次に「心の病へと至ったプロセスを知る」事ですが、これはどういった経緯でどういった状況でどう思ったのか?という事をできるだけ詳しく理解する必要があります。

そんな時、役に立つ手法として私は認知行動療法をおすすめします。

詳しくは上記の参考リンクを見ていただきたいのですが、簡単にいうと認知行動療法は認知パターンを変え、新しい考え方を確立する技法です。心が荒んだり、実際に症状が出たりした出来事を思い出し、その時に思った事、その時にあった考え方を新しく変える事で恐怖を克服する狙いがあります。

ただ、やはり当時の事を思い出すために、心が苦しくなったり、腹を立てたりする事も考えられます。

でもそれは脳の誤作動によって生じるもので、あたかも今この場で起こっているような感覚に襲われがちですが、心配ありません。これは一時的なものである上に、この理論がわかっていればむやみに恐れる事もないでしょう。

何について恐れているかを知る

そして3つ目の「何について恐れているかを知る」という事ですが、これは実際に言語化するといいと思います。

例えば、

「あっ今、外出する事に対して不安を感じた。」「昔の職場での出来事に怒りを思い出していた。」

このような感じですね。

ただ注意点として、言語化する際に多くの方が頭の中だけで整理しようとされますが、これは正直難しいと思います。それだけか、結局考えがまとまらずに逆に思考がぐちゃぐちゃになってしまう事が多々あります。

こういった事を避けるためにも必ず紙に書き出していただきたく思います。特に私は「ゼロ秒思考」をおすすめしています。

紙に今の不安点を書き出していただくだけでも、客観的にその問題を見る事ができるので、今何に恐れているのかを冷静に見つめる事が期待できます。

是非、お試しください。

時間を味方につける

以上が、心の病、そして恐怖を乗り越えるための考え方になります。

さてそれでは実際、症状(発作)が発生した時はどうすればいいのかを解説します。

恐怖に対して正しく向き合い、時間を味方につける

まずはNG例を先に挙げます。

めまい、過呼吸のような身体的症状、または抑うつ、離人感のような精神的症状がでると、こういった考えが出がちだと思います。

消えてくれ、早く消えてくれ。もう嫌だ!

症状が出てもそれに囚われてしまい、その都度深刻に陥ってしまう状態ですね。私も当初はこういった感じでした。

でも本書を読んで考え方がガラッと変わりました。

それは「恐怖に対して正しく向き合い、時間を味方につける」という事です。向き合う事。ここでも必要な手法は「マインドフルネス」です。

正直、上記のようにどれだけ出てくる症状に抗っても、受け入れずに戦い続けても、逆効果にしかなりません。

なぜなら、その症状や溢れ出てくるマイナスな感情は絶対に勝てる相手ではないからです。

通り過ぎるのを待つ

そうなると、今、自分ができる事はまずはここでもその症状に対して「受け入れる」事ですね。

そして、症状が出ている最中、本書では「安全な場所で観察をするだけ」と述べています。確かにこれ以上できる事はおそらくないでしょう。

「安全な場所」という事で、もし今、家事や仕事などなんらかの作業中ならその作業を止め、さらにできるならその場に立ち止まり、そして自分が楽になる姿勢でその症状をひたすら観察し続けましょう。

今、めまいが始まった。今、不安が出てきた。今、めまいがおさまってきた。

このようにあたかも他人事のように実況中継し、そしてその症状が通り過ぎるのをひたすら待ちます。

症状が頻繁にでてくる人もいれば、症状が大きい時もあると思います。

ただこういう時もNG行動としては通り過ぎるのを辛抱強く待てずに焦ったり、受け入れずに戦ってしまう事です。

繰り返しになってしまいますが、症状や溢れでてくる感情には絶対に勝てません。

ですので、時間を味方につけ症状が通り過ぎていくのを待ちましょう。

これが時間が経つにつれできるようになり、どんどん過敏になった認知パターンは消えていきます。よって恐れていた症状や不安感も自然と「いずれは通り過ぎる」と言う事がわかるでしょう。

まとめ

最後にまとめです。

  • 心の病からの回復を邪魔する「恐怖に対する恐怖」を克服するには、今の自分の状況を理解する事、心の病へと至ったプロセスを知る事、何について恐れているかを知る事の3点が必要。
  • 今の自分の状況を理解する事はマインドフルネスで、心の病へと至ったプロセスを知る事は認知行動療法で、心の病へと至ったプロセスを知る事はゼロ秒思考で試していただきたい。
  • 症状の対処法はその症状をまずは受け入れ、楽になれる状況をつくり、実況中継しながらただひたすら通り過ぎるのを待つ。
  • それによって過敏になった神経は次第に落ち着いていき、植え付けられた恐怖の認知パターンもリセットされる。

以上です。

「恐怖に対する恐怖」と症状(発作)は、ひどくなると必要以上に悪者探し(悪かった点の粗探し)をしてしまいがちですが、これは自分を責める事になってしまいます。

自分を責めるのはもう終わりにしましょう。

自分を責め続けた結果、病気に至る事もあります。これからは自分にも優しく、そして今の自分をありのままに受け入れてあげてください。

参考文献

「不安のメカニズム 完全版」は300ページ以上ありますが、症状別の対処法など、細かく書かれております。是非ご覧ください。

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