怒りが生まれる理由、怒りのタイプを解説 – アンガーマネジメント1 –

皆さんはアンガーマネジメントという言葉を聞いた事あるでしょうか?

これは怒りをコントロールする事で、怒りによって発生するストレスを減らし、リラックスした生活を送れる事を目的とした手法となります。

このアンガーマネジメントについて解説したいと思うのですが、文字数の関係から今回はアンガーマネジメントの解説の前に怒りが生まれる原因を紹介したいと思います。

そして次回その対処法、つまりアンガーマネジメントについて解説したいと考えております。是非、今回と次回の記事を読んでいただき、アンガーマネジメントについての理解を深めていただきたく存じます。

こんな方にオススメ
  • ちょっとしたことでイライラしてしまう。
  • 怒りのせいで周りの人に強くあたってしまう。
  • 怒りを引きずり、強いストレスになる。

怒りはなぜ生まれるのか?

最初に断っておきたいのですが、アンガーマネジメントは怒りをコントロールするものであり、怒りを生まないように努力するものではありません。

怒りは自分を守るために必要だから備わっています。まずはその事をお伝えします。

さて、それでは怒りはなぜ、どのような理由で発生するのでしょうか?それらを脳科学と心理学の観点から説明します。

怒りを脳科学から解説

まずは脳科学の観点から説明すると、神経伝達物質であるアドレナリンが怒りと大きく関係していると言われています。

アドレナリンは恐らく聞いた事のあるホルモン物質であると思いますが、これは交感神経が興奮状態になる時に分泌されます。

アドレナリンが分泌すると、人は臨戦態勢または逃避態勢に入るので、自然とイライラしたり、機嫌が悪くなったりする可能性があるのは理解できると思います。

ただ、これは何も悪い事ばかりではなく、プラスに働く事もあります。

例えば、夜道などで変質者に襲われそうになった時、危険な状態である事を脳が察知し、怒りの感情によって臨戦態勢に入ったり、または助けを呼んだりして逃避態勢にも入る事ができます。

怒りを心理学から解説

それでは心理学の観点からはどうでしょうか?

心理面では2次感情として怒りが生まれるものだと言われています。

まずは怒りが生まれる前に1次感情として不安だったり、悲しい感情だったり、寂しい感情があったりして、そしてそれらの感情がキャパオーバーを起こす事によって怒りが生じると心理学では説明されています。

冗談じゃねーぞ!今まで別れを切り出されるかもしれない不安を我慢し続けてきたのに、何であんな別れの切り出し方されなきゃいけなかったんだ!

上記は不安から怒りに変わるパターンです。他にもたくさんありそうですね。

怒りの5つのタイプ

以上が科学面アプローチによる怒りのメカニズムの解説となります。

そしてここからはタイプ別に怒りが発生するケースを考えていきたいと思います。

まずはその5つのタイプを紹介します。

  • 強い信念を持っている
  • 完璧主義、白黒思考
  • プライドが高い
  • マイルールを譲れない
  • 劣等コンプレックスに苛まれる

以上です。それでは1つずつ詳しくみていきましょう。

強い信念を持っている

まずは「強い信念を持っている」タイプの人です。いい意味でいうと正義感が強いのですが、その思いが強すぎて、自分が間違っていると思うものに必要以上に反応してしまいがちです。

自分に裁く権利がなかったり、自分に全く関係のない問題に対しても裁かなければ気が済まない。といった感じですね。個人的には昨今のSNSがその最たるものではないかと思います。

例を挙げると、芸能人の不倫スキャンダルに対するニュースがピックアップされた時、よくSNSなどで

「えー、最低!」「奥さん(旦那さん)が可哀そう・・・」「こいつの芸能人生終わったな。」

などなどまあ挙げだすとキリがないですね・・・

おそらく、こういった報道に反応する人は「倫理上、いけない」という確固たる信念を持っているのでしょう。

しかし、どんな有名人の不倫のニュースであろうとも結局は他人の夫婦間の問題であり、他人が入り込む権利はないはず。それにも関わらず、まるで自分が裁判官でもなったかのようにSNSにコメントを残さないと気が済まないのがこのタイプでしょう。

完璧主義、白黒思考

次に挙げるタイプが「完璧主義・白黒思考」です。

完璧を求めるあまり、ちょっとした妥協が許せないのがこのタイプの特徴でしょう。また他人の曖昧な約束や返答などに違和感を感じたりして、「イエスかノー」「できるかできないか」など白黒ハッキリさせなければ気が済まない人もこのタイプに当てはまると考えます。

例えば、職場にて部下からの提出書(報告書、図面など)を見て、自分の求めるものとかけ離れているものである場合、先ほどの心理学面での法則では1次感情として落胆がうまれ、そしてそれが怒りに変わる。といった感じではないでしょうか。

プライドが高い

そして次に挙げるのが「プライドが高い」タイプです。

このタイプでは他人からどう思われているのかが気になりすぎて、自己中心的な考えに陥り、怒りが生まれるものです。

例えば、テレビやSNSなどで自分より年収が高い人を見ると、嫉妬に囚われてイライラしたり、また別の例では、給与査定などで自分の評価が予想よりも低かったりすると、

なんで!?仕事も周りより早いし、管理もしっかりできてるつもりなのに・・・

こういった不満から怒りに変わるのがこのタイプだと考えます。

マイルールを譲れない

そして「マイルールを譲れない」タイプです。

これは「強い信念を持っている」に似ているところもありますが、自分の考えが思い込みだけで何の根拠もないのに正しいと思うものになります。

これも職場を例に挙げると、

私の段取り通りやってればいいものを・・・どうなっても知らないからな!

上記では部下が言う事を聞かずに、独自の段取りで仕事に取り掛かったため、悲しみから怒りに変わっていった感じでしょうか。自分の意見が通らなかったりすると、怒りが生まれるタイプですね。

これは余談ですが、私が過去に在籍していた職場でこういった事があると、不満をぶちまけた後、周りを無視しだす方がいらっしゃいました。本当に面倒くさいですね(笑)

劣等コンプレックスに苛まれる

最後に挙げるのが「劣等コンプレックスに苛まれる」タイプです。

一般的には劣等感と呼ばれるものですが、アドラー心理学ではこれを劣等コンプレックスと呼ばれているのでこちらを採用する事にします。

まず簡単にこの2つの違いを説明すると、以下のような感じになります。

劣等感 理想の自分と比べて今の自分は(スキルなどが)劣っている事を感じる
劣等コンプレックス 他人と比べて自分は劣っている事を感じる

劣等感はまだ健全な感情ですが、劣等コンプレックスは自分を卑下しがちですね。

さて、話を戻しますが、これもテレビなどを見て自分より上手くいっている人を見ると、

こういう人達に比べたら自分なんて・・・なんで自分だけ・・・

上記のようにネガティブに陥り、そして不満から怒りに変わる。そんな感じではないでしょうか。

「アンガーマネジメント」に活かす

以上、怒りを5つのタイプに分けてみました。皆さんはこれを見てどんな感想をお持ちになったでしょうか?

「そういや自分も人と比べてしまってるかもな~」「くだらないプライドあるかもな~」「自分の考えに自信過剰になってたかも」

このように自分を顧みる方もいれば、

「うわぁ、うちの上司そっくり」「昔の同級生にこのタイプの人いて無性に腹立ったわ!」

というように知り合いと重ね合わせた方もいるかと思います。またはこれら以外の感想もお持ちになったかもしれません。

いずれにしてもまずは自分なりの感想をもって、次回に解説する「アンガーマネジメント」に活かせていただき、是非この手法を実践いただければ幸いです。

まとめ

最後にまとめです。

  • 怒りは脳科学と心理学の観点から説明できる。
  • 脳科学面では神経伝達物質であるアドレナリンが大きく関連している。
  • 心理学面では2次感情として怒りが生まれると言われている。
  • 怒りには5タイプあり、「強い信念を持っている」「完璧主義、白黒思考」「プライドが高い」「マイルールを譲れない」「劣等コンプレックスに苛まれる」などがある。

以上です。

参考文献

“自分の「怒り」タイプを知ってコントロールする はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック “は当記事を書く上で参考にしたものです。是非ご覧ください。

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