前回、怒りが生まれる原因と怒りの5つのタイプについて解説しました。
今回はその怒りをいかにしてコントロールするか、といったアンガーマネジメントについて解説したいと思います。
こんな方にオススメ
- ちょっとしたことでイライラしてしまう。
- 怒りのせいで周りの人に強くあたってしまう。
- 怒りを引きずり、強いストレスになる。
- うまく怒りをコントロールしたい。
怒りを記録する「アンガーログ」
まずは私も実際スマートフォンのメモアプリで管理している「アンガーログ」を紹介します。
怒りを言語化
まず、衝動的な怒りなどが生じた後に
なぜあの時、あんなに怒ったんだろう?あー失敗したかな~。
このようによく感じてしまうものです。正直、それだけ怒りというのは捉えにくいものだという事なんですね。
だからこそ何に対して、なぜ怒っているのかを言語化した方がいいと考えます。
その方法が「アンガーログ」です。
感じた事をそのままに・・・
この方法は以前に紹介した「ゼロ秒思考」に似ているのですが、
まず紙やメモ帳を用意し、怒りを感じた時を思い出し、”なぜ怒ったのか?どんな考えをもっていたのか?”のように「なぜ?、なぜ?」を自分に問いかけていき、自分が思っていた事を書いていきます。
この際に考えを分析したり、文章の構成を考えずにひたすら頭に浮かんだ事を書いていきましょう。
そしてそれを書き終えたら清書します。日付・場所・出来事・思った事・怒りレベル(何段階評価でもOK)を項目別に書いていきます。ちなみに私はこの清書はスマホアプリに保存しています。
これをする事によって、自分の怒りを客観的にみる事ができ、冷静さを取り戻す事ができます。
また実際のアンガーマネジメントではこのアンガーログは怒りがでた瞬間に書く事を推奨されていますが、個人的には怒りの瞬間は取り組むのはかなり難しいと考えています。(怒りの瞬間・衝動的な怒りの対応はまた後ほど解説します)
だから怒りの瞬間ではなく、反省の意味もこめて後で取り組む方がいいと思います。
そうする事によって自分の怒りの傾向をつかめる事もできますし、次に同じような出来事が起こった時にも対応しやすいようになると思います。
アンガーマネジメントの3つの手法
以上が怒りを言語化する「アンガーログ」の方法です。
それでは実際、衝動的に怒りが発生した時、どのようにそれをコントロールすればいいのでしょうか?
ここでは、衝動のコントロール、思考のコントロール、行動のコントロールの3つに分けて解説したいと思います。
衝動のコントロール
まずは怒りが発生したその瞬間である「衝動」をいかにコントロールするかです。
この方法はよく耳にする事があるかもしれませんが、怒りが発生して「6秒間は待つ」というものです。これはなぜかというと、怒りが発生して6秒間耐えると怒りのピークは過ぎ去り、冷静さを少しずつ取り戻せるからです。
それ聞いた事あるけど、それが難しいんだよ~。
おそらくこういった感想をお持ちの方がいらっしゃると思います。
たしかに怒りが発生してただひたすら6秒間「我慢」となると結局は感情的になってしまう事になるし、そもそも6秒間我慢という感覚も忘れてしまうのではないかと考えられます。
この衝動の怒りをコントロールするには、当ブログではお馴染みになりつつあるものですが、やはりマインドフルネスが有効だと私は考えます。
今、怒りを感じた。今、頭に血が急激に上った。
こういった感じですね。とりあえず今、自分の身に起きている状況を実況中継します。そしてコツとしては、この時おもいっきり息を吐きましょう!
「不安」や「緊張」を強く感じると、心と体が「興奮状態」になり、全身に酸素を含む血液をたくさん送ろうと、心臓を”ドキドキ”させたり、息を”ハアハア”させたりします。すると、息苦しくて不安になり、さらにたくさん息を吸おうとします。運動もしていないのに必要以上に多く呼吸をすると、体内の酸素が増え過ぎ、逆に二酸化炭素が少ない状態になってしまいます。
千葉大学医学部附属病院 清水栄司 医師
以上のように怒りだけでなく、ストレスを強く感じると、脳への酸素が過剰に供給してしまうので、深呼吸をするのは有効的ではありますが、息を吸う事よりもまずは息を吐く事を意識した方がいいと思います。
思考のコントロール
次に「思考のコントロール」についてです。まずは発生した怒りについて「許せる」「まあ許せる」「許せない」の3つに分類します。
この時、「許せない」に分類された場合、「せめて(少なくとも)~してくれたらまだ許せる」と考えるようにしてみます。
例えば、職場にて上司に身に覚えのないミスを押し付けられたケースを考えてみましょう。私も経験ありますが、まあ許せないですよね・・・
ただこういった時でも
せめてそのミスをカバーしてくれたらよかったのに。あと少なくとも、そのミスの分早く帰らせてくれたらまだ許せるよな~
と「せめて~だったらまだ許せる」のように考えてみます。
すると、今まで「許せない」しか選択肢がなかった狭い視界が「まあ許せる」の選択肢がある事が意識でき、許せるゾーンが広がる事につながります。
行動のコントロール
そして最後に「行動のコントロール」です。
冒頭でも申し上げました通り、アンガーマネジメントは怒らない努力をするものではなく、怒りとうまく付き合う方法になります。
だから場合によっては勇気と自信をもって怒る事も大事です。
ただ、まずはその怒りが自分で解決可能なものか否かを考える必要があります。
もし自分で解決ができない場合はその問題を受け入れ、そして反応しないように意識をもっていきましょう。またこの時、別のものに意識を向ける事も手法の1つです。例えば、呼吸に意識したり、ストレスを感じている体の部分を意識したり、また目を閉じてひたすら怒っている自分を見つめるのもいいと思います。
そして自分で解決できそうな場合は繰り返しになりますが、勇気をもって怒る事も必要です。
自分が怒る事に関しては
怒って嫌われるのがな~。遺恨が残っても困るし・・・
という考え方が足枷になりそうな気がしますが、これに関してはアドラー心理学の”課題の分離”についてでも解説しておりますが、いくら自分が「嫌われたくない」「遺恨を残したくない」と思ったところでそれらを決めるのは相手の問題になるので、これらの事を考えるだけ無駄となります。
参考いただき、是非一度「たまには怒る」を実践してみてはいかがでしょうか!
例 | 対応 | |
---|---|---|
自分で解決できない | 天候・政治、経済・他人の問題など | 受け入れ、反応しない |
自分で解決できそう | 技術的な問題、責任の押し付けあいなど | 勇気をもって怒る |
まとめ
それではまとめです。
- 怒りを感じたその日にアンガーログを書く。
- アンガーログを書く事によって自分の怒りを客観的にみる事ができるので、次につながる。
- 怒りが発生したら、衝動のコントロール、思考のコントロール、行動のコントロールで対応する。
- 衝動のコントロールでは、「6秒間待つ」を実施。その間はマインドフルネスと息を吐く事を意識する。
- 思考のコントロールでは「せめて~だったらまだ許せる」と考え、許せるゾーンを広げる。
- 行動のコントロールでは、自分で解決できない怒りは受け入れ、自分で解決できそうな怒りは勇気をもって怒る事も必要。
以上です。アンガーログを書く習慣をつくり、自分の怒りを客観視する事で怒りに振り回されないように心がけていただければ幸いです。
参考文献
“自分の「怒り」タイプを知ってコントロールする はじめての「アンガーマネジメント」実践ブック “は当記事を書く上で参考にしたものです。是非ご覧ください。
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