承認欲求を否定する:自己肯定感を築くためのステップ

承認欲求

アドラー心理学シリーズとしてこれまで「原因論・目的論」、「共同体感覚と他者貢献」、「課題の分離」についての記事を書いてきましたが、今回はベストセラー本”嫌われる勇気“にておそらく最大の教えであろう「承認欲求の否定」について解説したいと思います。

また同時に、アドラー心理学シリーズの最終章として総まとめのような感じで述べていきたいと思うので、是非最後までお付き合いいただければ幸いです。

これまでのアドラー心理学シリーズ
こんな方にオススメ
  • 人の評価が気になる。
  • SNSでの反応が気になってしょうがない。
  • 「認められたい」「褒められたい」とよく思う。
  • 自分の本当の幸せを見失いかけている。

承認欲求の奴隷になる人たち – アドラー心理学シリーズ4 –

嫌われる勇気(以下、本書)は当記事を作成する上で参考にした文献です。是非こちらもご覧ください!

昔からそうですが、今の時代は特に油断をしていると誰もが承認欲求に駆られると私は感じています。

SNSや進学を例に

その承認欲求に駆られる人が多い媒体といえば、やはりSNSではないでしょうか。

今や”バズる“という言葉が日常にて使われるように、自分のつぶやきや投稿に対してどれだけ「いいねの数をもらえるか」をひたすら求めているように感じます。もちろん、そういう人ばかりではないでしょうが・・・。

この「いいねの数や返信数、フォロワー数」によって物が売れたりもするので、ビジネス上では今やなくてはならないものになっています。

ただ、こういったところから影響はあるかもしれません。いいねの数がそのまま自分の価値だと思い込んでいる人が非常に多いように感じます。

これはSNSだけでなく、他には大学の進学などもそういった承認欲求に駆られるシーンがあり、大学に入るために必死で勉強して入る理由も「ここで勉強がしたいから。やりたい事があるから。」というものではなく、「誰かにスゴイと思われたいから」という理由の方が多いような気がします。

褒められたい・認められたい

この進学に関しては私も後者の理由の方が大きかったと思います・・・

ただ人はこういったふうに誰かに「褒められたい・認められたい」という欲求が備わっています。これは学校教育によるものが非常に大きいと私は考えますし、生まれながらにして標準装備されている部分もあると思います。

しかし、「褒められたい・認められたい」の気持ちが強すぎると、結局は他人のために人生を生きる事になってしまいます。

人の評価が気になる。人の顔色が気になる。もっと自分を見てもらいたい。

これは”課題の分離“についての記事でもお伝えしましたが、全く課題の分離ができていません。

どれだけ人の顔色・評価などが気になったところでそれを決めるのは他人であり自分の問題ではありません。

イギリスのことわざで「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない」というものがあります。これの意味は、人は他人に対して機会を与えることはできるが、それを実行するかどうかは本人の気持ち次第、という意味でまさに上記の内容に当てはまりますね。

承認欲求を否定せよ

そこでアドラーは承認欲求について「完全に否定せよ」と語っています。

繰り返しになりますが、学校の懲罰教育。つまり内申点だったり、生活態度だったり、テストの点数だったりを学校側が評価するため、その感覚が大人になっても抜け出せない部分が大きいと考えます。

その結果、他人の課題に注力してしまうため、「自分の幸せって何だろうか?」「何が楽しいと感じるのか?」といった肝心な自分の課題がおろそかになってしまいがちです。

やはり自分の課題に注力する習慣をもつ事が自分らしい生き方を掴む一番の方法ではないでしょうか。

「縦」の関係から「横」の関係に

また、アドラーは「上下関係をつくってはならない」と語っており、続けて「対等な関係をつくるべき」だと述べています。これについて詳しく見てみましょう。

人を褒めてはいけない

アドラーは上下関係をつくってしまう原因として「人を褒める」事を挙げています。

部下を育てるには褒める方がいいにきまってるじゃないか!

たしかに一見、褒めて育てる方が良さそうに感じます。しかし褒める事は子育てなどでもわかるように、上下関係を生んでしまう事になるのは理解できると思います。

そして褒められる方も承認欲求を刺激され、もっともっと他人を喜ばせる事に重きをおいてしまう事につながってしまいます。

よって学校では先生に叱られないように、また態度がいい子だと思われるために努力しようとしてしまいがちですし、会社においては「こいつはできる人間だ!」と思われるために頑張ってしまう事になってしまいます。

会社においてはもちろん経営者にはこれ以上ない儲け話ですが、大多数の従業員にとっては単に”承認欲求の奴隷”を増やすだけの話にしか過ぎません。

褒めるのではなく感謝する

それでは対等な関係をつくるためにはどうすればいいのでしょうか?

アドラーは頑張っている人に対し、褒めるのではなく、感謝の言葉をかけるべきだと述べています。

これに関しては私も非常に共感を覚えました。なぜなら感謝の言葉は上下関係をつくらないのは言うまでもないですが、他者貢献をして感謝されれば自分の自信にもつながりますからね。

※他者貢献に関しては下記の記事にて詳しく綴っています。

ただし、注意点として、感謝されるために他者貢献をしてはいけません。

これは先ほどの課題の分離でも説明した通り、感謝するかどうかは「他人が決める事であり、自分の問題ではない。」でしたね!

人生は自己満足でOK!

でも他者貢献って結局、自己満足じゃない?

という考えをもつ方もいらっしゃると思います。実際に私は言われた事あるもんで・・・ですが、個人的には

結局、人生って自己満足でいいんじゃね?

と考えています。

私は筋トレが趣味で筋肉がムキムキになると嬉しいですし、それを見るのが楽しいですし、人によれば特定のスポーツチームの観戦を楽しむ。人によればメイクやヘアスタイルを楽しむ。人によれば自分のもつすべらない話(面白いかどうかは別として)をして楽しむ。

正直、生活していく上で自己満足はありふれていると思いますし、それに幸せを感じるならそれがもう”勝ち組”ですよね(笑)。

さて”感謝されるかされないか”の話からは脱線してしまいましたが、他者貢献の話に戻すと、他人のために何か役に立って幸せを感じる事がモチベーションにつながりますし、また人生を楽しむ事ができるのではないかと感じています。

是非、皆さんも感謝されるための他者貢献を実施し、「縦」の上下関係ではなく「横」のつながりである対等な関係を意識していただければ幸いです。

まとめ

最後にまとめです。

  • 誰かに褒められるために人生を生きる「承認欲求の奴隷」になる人が多い。
  • アドラーは承認欲求を否定し、自分の課題に注力する事を提言している。
  • 褒めることが上下関係につながり、感謝する事が対等な関係を築けやすい。
  • 課題の分離を徹底し、自分の事を評価をするのは常に自分ではなく他人だと心がける。

以上です。この記事で一旦、アドラー心理学シリーズは完結とさせていただきますが、また何かアドラー心理学についての疑問などありましたら是非コメントをいただければ幸いです。

参考文献

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