15年ほど前まで私は1日1箱タバコを吸う平均的なスモーカーでした。当時のセブンスターの値段はたしか280円ほどだったと記憶しております。
その喫煙当時、胃の不調や呼吸の浅さで悩んでいた事もあり、なんとかやめられないかと考えていました。近くの内科を受診した際に医師に「タバコやめられたらねー」と言われた事もやめたい理由の1つであったでしょう。
そんな折、禁煙に成功した知り合いから勧められた一冊の本を読み、
「よし、やめてみよう!」
と決心する事ができました。
今回はその時出会った本の紹介と、私自身どういった経緯でやめる事ができたかを解説したいと思います。
- 禁煙を考えている
- 体に不調があるが、タバコがやめられない
- 禁煙成功者の体験談が聞きたい
- サポートのため、禁煙について知っておきたい
禁煙バイブルとなった一冊
まずはその本のタイトルから、タイトル名は「禁煙セラピー」です。
当時は本の帯にヘビースモーカーだった今田耕司さんや品川庄司の品川祐さん達が「読んだだけでやめられた」を謳い文句とされていて、そのインパクトが強かったのを覚えています。
その本は200ページちょっとのボリュームになりますが、タバコを吸い続ける事への悪影響だったり、禁煙に失敗するケースだったり、禁煙に対する正しい心構えだったりが書かれており、全てにおいて私は共感できるものと思い、禁煙に臨んでいました。
また、この本の特徴的なものになるのですが、「吸い続けながら読んでもいい」という文句、これは本当に革新的なものと感じました。とにかく、「気合いでやめろ!」とかの類のものではないのだけは理解できますね。
さて、それでは前置きはこのぐらいにしておき、この「禁煙セラピー」の解説をしてまいりたいと思います。
我慢で禁煙してはいけない
まずは大前提として、我慢してタバコをやめようとしてはいけない、という事です。
だいたい、禁煙に失敗する時は
「なんて意思が弱いんだ・・・」
こんな事を嘆いてしまうものだと思います。はい、私もその一人でした・・・
だが実は、この「我慢でタバコをやめる」事そのものが間違いだったと考えます。
確かにタバコをやめる際は多少なりとも、禁煙意志は必要になります。ただこれだけでは話になりません。
禁煙する前にまず、タバコが喫煙者に抱かせる勘違いを取り除かないといけません。その勘違いは次の3点になります。
- 美味しいと感じる
- リラックス効果がある
- 集中力が上がる
以上です。それでは詳しく解説していきます。
美味しいと感じる
最初タバコを吸った時、どんな感想だったでしょうか?おそらく、
「せき込んだ」「息が苦しくなった」「なんて不味いんだ」
こんなところではないでしょうか?
ただ、これが体になじんできて、そして美味しいと感じた時、これは脳内でドーパミンという神経伝達物質が分泌されていると考えられています。ドーパミンはホルモンの調節や快楽を感じる効果などをもたらし、一度得てしまうと、繰り返し得たいと思うようになります。
そう、まさに麻薬中毒と同じ効果ですね・・・。
つまり美味しいと感じた時、それはニコチン依存となってしまった事を意味するでしょう。
リラックス効果がある
次にリラックス効果があるという事です。
仕事後の一服、食後の一服、お酒の席での一服、コーヒーを飲みながらの休憩の一服。
なぜかすごくリラックス効果があると思いがちですよね。ただ実は、タバコを吸うと心拍数が上がるので、リラックス効果があるどころか、身体が緊張状態に陥ってしまいます。
それでもリラックス効果があると勘違いするのには、カラクリがあります。
まず、喫煙者がタバコを数時間吸わないと血中のニコチン濃度が下がり、ニコチンに依存している状態であるためにこの状態では体が不快と感じるようになります。
するとこういった状態に陥っている時にタバコを吸うと脳はどう感じるでしょうか?
おそらく、脳がリラックスしたと勘違いするのではないでしょうか。
これらの現象は元々タバコを吸っていなければ起きない事なので、タバコを吸う事で自らストレスを生み出している事になりますね。
集中力が上がる
次に集中力が上がるという事ですが、これも勘違いです。
先ほど解説したものと同じで数時間タバコを吸わない事でニコチン不足に陥る。つまりタバコを吸う事で下げた集中力を元に戻しているだけだと考えられます。
また、タバコを吸うと血中に一酸化炭素が詰まります。一酸化炭素は酸素を運搬するヘモグロビンと非常に強く結合するので、酸素がヘモグロビンと結合できなくなり、身体の臓器に酸素が行きわたらなくなります。
だから脳だけでなく、胃、肺、心臓など全ての臓器に悪影響を及ぼすという事は言うまでもありません。
ニコチン依存から抜け出す
これらがタバコが脳に抱かせる幻想の解説となりますが、読んでるうちに何か気付いた方もおられるのではないでしょうか?
そうです、全て「ニコチン依存」が絡んでますね。
特にニコチン依存は依存のスピードが速く、これはどんな麻薬よりも早いとされています。
血中のニコチン濃度が不足すると、禁断症状が表れます。しかも体がニコチンに慣れてくると、さらに本数が増えていくというまさに悪循環に陥ります。
それではこれを解決するにはどうすればいいのでしょうか?
禁煙から3週間
ニコチンは禁煙後3週間で体内から消えるとされており、いかにこの期間を乗り切る事ができるかがカギを握っています。
私は禁煙後3週間までニコチン依存に陥っていた事を体の隅々まで覚えていますが、ただこの本の通り、それは3週間でかなりおさまった事を記憶しています。
そこで、この3週間を乗り切るために、いかに禁煙に対する正しい心構えをもつかをお伝えします。
禁煙に対する正しい心構えとは
まずは禁煙あるあるになりますが、「1本だけなら・・・」だったり「徐々に減らしていこう」というマインドですが、これらは完全にNGです。
まず、1本だけですむはずがなく、記憶を遡るとその「たった1本」から喫煙人生が始まったのではないでしょうか?少なくとも私はそうでした・・・。
そして徐々に減らしていこうとする減煙についてですが、これも結局は禁煙に失敗します。タバコを吸っている限り、ニコチン依存からはいつまで経っても脱却せず、それどころかタバコへの執着心が高まり、より本数が増えてしまうリスクさえあります。
また、よく禁煙グッズに頼ったりする方もおられますが、これもタバコへの執着心が高まる事につながってしまうので、あまりおすすめはしません。
ニコチンの離脱症状である事を理解する
それよりはとにかく吸いたくなったら、それはニコチンの離脱症状である事を自覚する方がいいと思います。
禁煙時に離脱症状があらわれると、タバコを吸っている人達を羨んだりしがちですが、実はこれは逆です。タバコを吸っている人達も本当はやめたいはずですから・・・。なぜなら薬物依存でやめられない人達を羨む事はないですよね。
だからストレス解消のために「1本だけ・・・」は心の中からの【悪魔のささやき】だと言えるでしょう。まあそもそもストレス解消ではなく、ストレスを生成するものなのですから。
さあ最後の一本を吸いましょう
いきなりタイトル回収となるのですが、「さあ最後の一本を吸いましょう」。
これは実際に禁煙セラピーの最後の章でつづられているタイトルです。禁煙本であるのに「吸いましょう」って本当に不思議ですよね。
でもこれで私は本当に最後の一本になりました。
五感全てに集中して、タバコの味・臭い・肺に入ってくる煙・火がつく音など全集中させて最後の一本を吸っていた事を覚えています。
今、タバコを吸いたくないはずなのに吸わざるをえない状況にいる喫煙者の皆さん。あなたも禁煙セラピーを読んで、灰皿を探す日々、自らストレスをつくる日々、パフォーマンスが発揮できない日々、肩身の狭い生活、無駄な出費をする生活から抜け出しませんか?
そして気持ち良く「さあ最後の一本を吸いましょう!」
コメント