認知行動療法とは?賢い反省のやり方でストレス低減。ノートがあればOK!

認知行動療法

後悔、自己嫌悪、怒りなど皆さんも経験されてる事と思います。

あの頃、もっと彼女を大切にしておけばよかった・・・

なんなの、あの親父!くだらない仕事ばっかり押し付けてきて・・・

よくあるシーンですね。ただこういう風に過去に経験した事をいつまでも引きずってしまうのはもちろんストレスの種になるだけですし、何より非常にもったいない時間となる事は言うまでもありません。

それではこういった時間を解決するにはどうすれば良いのでしょうか?そういった解決法を当記事では解説したいと思います。

こんな方にオススメ
  • いつも後悔ばかりで過去を引きずりやすい。
  • 何年も前の嫌な出来事を今でも思い出す事がある。
  • 職場の苦手な人とのコミュニケーションが辛い。
  • 認知行動療法の具体的な手法を知りたい。

パニック障害であった時の話

私もかつては昔の職場で経験した辛い出来事に対して非常に悩んでいた事があります。もちろん今でも悩む事はありますが、パニック障害であった時は特に何年にもかけて引きずる事が多々ありました。

なぜこんなに引きずる事になったのでしょうか?それは反省の仕方がわからなかったり、なんとなく頭の中で理解していただけだと考えています。

心療内科医からアドバイス

そこで自宅療養中で心療内科に通院していた際、担当していただいていた医師からこんなアドバイスをいただきました。

カウンセリングセンターでは認知行動療法をベースに治療をされますので、一度試してみてはどうでしょう?

認知行動療法。たしかにネットではよく見かけるものでしたが、正直面倒そうなイメージもあったので敬遠していたのですが、担当医師からのアドバイスという事もあり、一度本格的にやってみようと決意しました。

認知行動療法を学ぶにあたって

まずは資料探しですが、とりあえず認知行動療法について理解を深めたい事もあり、自分で実践できるような本を探していた時、目的に合うものを見つけ早速下記のものを購入しました。

25冊の参考文献から熟考されたレッスンが多数あり、考え方の変え方のレッスン、やりたい事にチャレンジするためのレッスン、心のルールから解放されるためのレッスンなどありますが、この本から非常に多くのものを学ぶ事ができ、また自身の考え方も柔軟になったと感じました。

認知行動療法を考える

認知行動療法とは?

認知行動療法の事を英語でCognitive Behavioral Therapyといい、頭文字をとってCBTともいう事がありますが、基本的に認知行動療法とはどういったものでしょうか?

認知療法・認知行動療法は、認知に働きかけて気持ちを楽にする精神療法(心理療法)の一種です。認知は、ものの受け取り方や考え方という意味です。ストレスを感じると私たちは悲観的に考えがちになって、問題を解決できないこころの状態に追い込んでいきますが、認知療法では、そうした考え方のバランスを取ってストレスに上手に対応できるこころの状態をつくっていきます。

認知行動療法センターより

ものの受け取り方、考え方。非常に大事な事ですよね。これらをネガティブに捉えれば(認知の歪みともいう)それだけ当然、自分の首を絞める事になりますし、そうなるとストレスがどんどん溜まっていくのが容易にわかると思います。

認知行動療法の具体例

それでは具体的なやり方を解説します。このセクションでは具体例を紹介したいと思います。

まずはノートや紙を1枚用意し、下記のような形式で綴っていきましょう。

×月×日 業務中・夕方

(出来事)

今の案件で手一杯であるのに、上司が「まだ余裕ありそうだからこれも頼むよ。」と言われ、3日はかかる仕事を平然と頼まれ、今の案件も納期ギリギリなのに引き受けてしまった。言われた言葉もショックだったし、怒りもだんだんとこみあげてきた。

(気持ちの点数)

傷ついた 85点、怒り 80点、悔しい 85点

(心のつぶやき)

  • 「余裕ありそうだから・・・」って何で今手一杯だって事わからないの?
  • ひょっとしてわかってて押し付けてきたか?
  • 自分も断らなかった事、非常後悔している。

⇒ 自分は舐められているのでは?

<根拠>

  • 実際に何も考えずに引き受けてしまう事が多い。

<反論>

  • 上司から責任や仕事を丸投げされているのは自分だけではない。
  • 実際、上司がその仕事をすると1週間以上はかかるだろうから仕方がない部分もある。
  • もしかしたら、余裕があると思われるほど仕事を回せているのかも。
  • 「断って怒られたらどうしよう」という気持ちがあった事も受け入れなければならない。
  • そもそも納期管理ができない上司だから部下の仕事内容すら把握していない可能性が大きい。
  • 何も考えずに引き受けてしまっている自分に対して怒っているのかも。
  • 自分を犠牲にしてまで他人に貢献する必要はないだろう。

(考察)

根拠より反論の方が圧倒的に多い。舐められているというのは早合点かも。一般化のしすぎ(※)かな。

(新しい考え方)

  • さすがに舐められているというのは気のせいだろう。
  • 自分のできる量を見極めて仕事を引き受けるようにしよう。
  • ただ嫌われたくない事を気にしすぎた結果、「こいつなら引き受けるだろう」と思われるきっかけにはなったかもしれない。このあたりは肝に銘じておこう。

(今の気持ちの点数)

傷ついた 50点、怒り 45点、悔しい 50点

(※一般化のしすぎ・・・よくない事がひとつでもあると広く一般化して解釈してしまう事)

職場でよくありそうな具体例を挙げてみました。それではこの具体例を詳しく見ていきましょう。

具体例の解説

出来事

まずは実際にあった出来事を書きます。ネガティブな出来事は人の心に残りやすいので、自分がわかればそれでOKだと思います。

気持ちの点数

ここでは不安・怒り・いらだち・悔しいなど自分の感情を考えられる限り一番強い点数を100点として数値化しましょう。数値化までしなくてもいいですが、そのときどきの気分を的確につかむトレーニングは必要です

心のつぶやき

その場で感じた思考をありのまま書き出しましょう!この項目が非常に大事で、感じた事を文字化するだけで今何に悩んでいるのかを整理できる効果もあります。もちろん誰に見せるわけでもないので、とてもここでは言い表せない暴力的な表現があってもいいと思います。私もそうですし、何よりスッキリしますからね(笑)

そしてできれば具体例の「自分は舐められているのでは?」のように根底に悩んでいる事を導きだしましょう。

根拠・反論

心のつぶやきに対してどういった点でそう思ったのか(根拠)、そしてその根拠に対しての反論を書き出していきましょう。

ここでの反論のコツは今の自分の姿を見て自分ならどういう声をかけるのか、客観的にみて答えてあげましょう。自分の最大の理解者は「自分」ですからね。

考察

根拠・反論を見て、どういった判断をくだすのか、どういった感想をもったかを書き出します。今回の具体例では反論が圧倒的に多かったので分かりやすかったですが、場合によっては根拠・反論が半々だったり、反論の印象が薄かったりする事もあると思います。そういった場合でも率直に感想を書きましょう。

新しい考え方

根拠・反論、そして考察をふまえてこれからはどのような考え方や行動をとっていけばいいのか考えましょう。今までの考え方は「自分は舐められているのでは?」と淡泊な文章でしたが、新しい考え方では複数出てくる事が多いと思います。

今の気持ちの点数

この項目は正直なくてもいいかもしれませんが、「心のつぶやき」からどれだけ気持ちが軽くなったか数値化しておけば後で見た時分かりやすくていいと思います。

使用できるケースは様々

以上が認知行動療法の「考え方の変え方」の具体的な手法を紹介しました。

これらは先述した「心がスッと軽くなる 認知行動療法ノート ―自分でできる27のプチレッスン― 」を参考に作ったものですが、もっと自分のやりやすい方法でやっても全く問題ないと思います。

そして認知行動療法のように~療法と聞くと

認知行動療法って、うつ病用の治療法でしょ?

と考える方がいるみたいですが、具体例のように職場でのストレス対策になりますし、家庭の事、健康での問題の事、恋愛の事など使える場は広いと思いますので、悩んだ時は是非利用してみてください。また何年も前の事でもOKです。解決しなくてもスッキリさせる事が大事ですからね。

認知行動療法を行う際の注意点

認知行動療法を行う際は、今の気持ちを文字化した方が自分の課題・思考が見えやすいので、できるだけ紙に書く事を意識した方がいいでしょう。またスマートフォンのメモ機能があるアプリにて入力してもいいと思います。実際私はスマホで行ってます。やはり整理しやすいですし、後から追加入力したりする時に便利ですからね。

あと、認知行動療法を行うタイミングはまさに嫌な出来事が起きた直後に行ってもいいですし、後でゆっくり行うのもいいと思います。ただ、普段から「ああすれば良かったな・・・」といった感じで認知行動療法を意識する必要はありません。むしろこうなると逆にストレスが溜まる事にもつながりかねません。

普段はマインドフルネスを意識して、そして認知行動療法を利用して考える時におもいっきり考える、というスタンスで生活するのがベストだと思います。

カウンセリングセンターについて

心理カウンセリングってどうなの?行った方がいいの?

といった事を尋ねられる事があるのですが、とてもいいと思います。

カウンセリングセンターでは臨床心理士公認心理師の方が専門的な知識や技術を用いて行われるので、もちろん認知行動療法に関しても丁寧に行っていただけます。

ただ、最終的には自分で自分と向き合うクセづけをつけていただければベストだと思いますので、あくまでも補助的な形でカウンセリングを利用していただければ幸いです。

また、最近では「自称心理カウンセラー」による偽カウンセリングだったり、高額なセミナーなどを開いたりする問題があるみたいです。「心理カウンセラー」と名乗る事自体は資格の有無問わず問題ないのですが、心理士が扱う「心」「心理」「精神」とは、対象者の生命・身体・人生・生活の根幹に関わるものであるため、高い専門性が必要になります。(一部、Wikipediaから抜粋)

こういった事からカウンセリングを利用する際は十分注意してください。

まとめ

さて、最後にまとめです。

  • 私自身の経験で、心療内科の担当医の方から認知行動療法を紹介いただき、それを通して過去の反省ができた。
  • 当記事の認知行動療法では「考え方の変え方」を紹介。
  • 当記事の認知行動療法では出来事、気持ちの点数、心のつぶやき、根拠・反論、考察、新しい考え方、今の気持ちの点数といった項目を熟考する事によって考え方を変えてみる。
  • 認知行動療法は様々なケースで使う事ができる。
  • 普段はマインドフルネス。反省したい時に認知行動療法を行う。こういったメリハリは大切。
  • 臨床心理士・公認心理師といった心理カウンセラーに相談するのもアリ。ただ依存する事なく、自分で自分と向き合うクセづけをつける。

以上です。また今後も様々な認知行動療法や考え方を変えるためのマインドセットを紹介したいと思いますので、お楽しみに!

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